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ジョーカー 明けない夜を願って-LAI 2006年01月04日[00:45]
「ねぇ、道明寺。トランプしようか」

「はぁ?」


忙しくてずっと会えなかった恋人達がやっと2人きりになれた。
メープルホテルのスウィートルームで、似つかわしくないセリフを言った目の前の彼女、牧野つくしに向かって彼は深い溜息を吐いた。


「・・・お前、熱でもあんの?」

「え?ないよ」


ソファーに深々と腰をかけて、クッションを抱き締めながら
誤魔化すように笑う彼女の額に手を当てる。

彼には彼なりに予定があったのだ。
食事を一緒にして、そのあと部屋で酒でも飲みながら・・・そのまま恋人との時間を過ごしたいと。
まぁ、詳しくは言えまいが。

彼女だって、そのつもりだと思っていた・・・んだろう、きっと。
笑顔を引きつらせながら笑う司に、『多分怒ってるよね・・・』とつくしは上目遣いで彼を見た。


「・・・一緒にいられるのは嬉しいんだけど・・・いつも食事して、お話して、
お酒飲んで・・・・・・ってパターンはあたしはちょっと・・・」

「何で」

「・・・たまにはゲームしたり、とかいろんな話を普通にしたいなぁ、
なんて思ってさ。ほら、屋上で話してたみたいに」


会えばいつも雰囲気に流されて、朝までベッドに繋がれたようになる。
愛されていることを感じる半面、つくしは正直不安になってきていた。
何も言わずに同じ景色を一緒に眺めたり、寄り添っているだけでもいい。
そういうことがしたいのだ。
同じ時間を共有するのがこうして狭い部屋の(十分広いけど)ベッドの中だけというのは寂しかった。
お互いに忙しい身だというのはわかっているけど・・・。


クッションに顔をうずめたまま、黙っていたつくしの様子に諦めたのか、
司は彼女の髪をクシャクシャと撫でた。


「・・・わかったよ。ま、俺はお前と一緒ならどこだって何だっていいけどな」

「・・・ホント?」

「・・・いや、できたらベッドの中の方が・・・」


瞬間、投げられたクッションが司の顔にヒットする。


「スケベ!」

「・・・はいはい、どうせスケベですよ。・・・ほら、トランプ貸せ」


スウィートルームの赤いふかふかの絨毯に、向かい合って座り込んでいるカップルが一組。
しかもこれからトランプをしようとしている。
「何やってんだか・・・」とこの姿をF3が見たら、呆れ果てることだろう。
それを思うと、つくしは笑いをこらえながら下を向いていた。


「・・・いつまで笑ってんだよ」


司は不機嫌そうにパラパラとトランプを混ぜて、お互いの目の前に配る。
いらないカードだけ前に出すと、「さて・・・」と司が言った。


「せっかくだしさ、何か賭けようぜ。俺が勝ったら・・・そうだなー・・・」

「・・・じゃ、あたしはあんたの小さい時の話が聞きたい」

「げ、それはちょっと・・・」

「ダメならお姉さんに聞くけど?」


ニッと笑って言うつくしに、司はチッと舌打ちした。

(こんなことなら、無理にでも・・・)


「え?何?」

「いーや、何でも。・・・じゃ、俺が勝ったら『キス』な」

「え、それはヤダ」


ブンブンと頭を振るつくしに司は口の端を引きつらせて言った。


「・・・・・・俺だって嫌な話すんだけど・・・」

「・・・わかったわよ」

「じゃ、俺からな」






***10分後***






「・・・やった!俺のアガリ!」

「げっ! 嘘!」


心底嬉しそうな顔をしてカードを放り出す司に、つくしはずりずりとあとずさりする。
結構自信があったのに、気が付いたらあれよあれよという間にジョーカー以外のカードを全部取られていたのだ。
ズイと迫ってくる司につくしは慌てながら、どうやってかわそうかと必死に考えた。


「じゃ、言ってたよな。条件として・・・」

「もう1回!」

「お前、勝ちは勝ちだ。約束は守れよ」

「・・・じゃあ、次の勝負であんたが勝ったら、2回するから!」

「・・・ま、いいか・・・次はないぜ。今度こそ守れよ」

「ん、わかった」






2回戦。キス2回がかかっているのだ。
どちらも真剣になって取り組んだ結果・・・・・・




「さすが、俺って天才!」

「ウソ!・・・って、きゃあ!」


司は上がったカードをポーンと放り投げると、呆然とするつくしを
勢いよく持ち上げて、彼女の手にしていたカードを取り上げた。


「・・・お前からしないなら、俺からするけど」

「それはダメ!・・・それより、降ろして欲しいんだけど」

「・・・どうしようかなぁ。そうしたら、お前逃げるだろうし。
俺としては、このまま目の前のベッドに・・・」

「わ、わかったわよ。じゃあ、目、つぶって」




頬に軽く1回。
ゆっくり目を開けた司と目が合って、恥ずかしさに頭に血が上ってくるのがわかる。

誤魔化すように、今度は唇に1回。
どこかで彼のスイッチが入ったのかもしれない。
それとも、最初からそのつもりだったのかもしれない。
つくしは彼からすぐ離れるつもりだったのに、そうできなかった。


掴まれた腕を解くことができなくて、しがみついた腕を外したら司の腕から落ちてしまう。
少しずつ深くなっていくキスに、『逃げる』という選択肢もやがて奪われて。
心の中にあったつくしの中のこだわりは、いつの間にかキスと一緒に蕩けて消えていった。











そして、明けない夜を願って過ごす恋人達の時間が始まる。


ぼんやりと灯るオレンジ色のスタンドライトが滲んで見えた時、
つくしの視界の端に、赤いカーペットに落ちているジョーカーのカードが
意味ありげに笑ってこちらを見ていたような、そんな気がした。











                  fin.












*********



本当に遅くなって申し訳ございません・・・!!!



類架様、いろいろとありがとうございます。
やっとこさ、UPできました。本当に、本当にご迷惑をお掛けして申し訳ないです。
同時に、楽しみに待って下さっていた皆さん、いつの間にかドラマも終わり・・・(滝汗)前回の投稿から早2ヶ月(大滝汗)・・・。



久々の投稿は、ラストはお約束となってしまいました(苦笑)
笑って読んで下さると嬉しいです。




笑ったジョーカーが何を暗示しているのか、というと・・・つまりは司のイカサマだったり・・・。
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◇この記事へのコメント◇

待っておりましたw
生存確認でき(笑)LAIさんのSS読めて嬉しいですw
とんでもありません><私なんて何にも・・・。

柔らかな愛を感じる素敵なSSありがとうございました^^
2006/01/09(月) 00:28:11 | URL | 京 類架 #-[ 編集]
LAIさん、こんばんは。
SSお待ち申し上げておりました。
司くんの策士っぷりがとても微笑ましかったです♪
大好きだからこそ…ってヤツですよね。
こんなに愛されているつくしちゃんが羨ましいです。
素敵なお話ご馳走様でした。
2006/01/09(月) 01:36:40 | URL | まいちゃ #-[ 編集]
コメントは拝見させていただいております~。
ありがとうございました。というか、もう1ヶ月かぁ。早過ぎる。
そしてごめんなさい・・・。


次回からちょっと趣旨変えする予定です。メインタイトルには添いたいですが。類架さんも、まいちゃさんもいつもありがとうございます(^^)
2006/02/06(月) 02:17:31 | URL | LAI #C6R2gQ3k[ 編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/01/23(火) 12:20:23 | | #[ 編集]
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